| 1997年11月27日(日本経済新聞)
アスペクト 粉末造形分野に進出
米大手DTMと組む 低コスト売り物に
光造形を手がけるアスペクト(東京都稲城市、早野誠治社長)は工業製品の試作品製作などに使う粉末造形分野に進出する。米国の大手積層造形装置メーカー、 DTM社(テキサス州オースティン、ジョン・マルチゾン社長)とこのほど国内総代理店契約を結び、DTMの粉末造形装置を輸入販売する。同時に、この技術を応用した試作品の受託製作サービスも展開し、光造形より低コスト化しやすい粉末造形の普及を狙う。
工業用の試作品を短期間で作製する「ラピッド・プロトタイピング」分野では、金属や樹脂、紙などを積み重ねて成形品を製作する積層造形が普及している。積層造形には、光を当てると固まる光硬化性樹脂を使った光造形、金属などの粉末を溶着させる粉末造形、紙を使った紙造形などがあるが、光造形に比べ精度が出しにくい粉末造形は普及が遅れている。
アスペクトが今回輸入販売する DTMの粉末造形装置は、特殊レーザーを使って金属やナイロンなど熱可疎性樹脂の粉末を溶融して固着する仕組み。最新機種の「Sinterstation2500」は成形精度がプラス・マイナス0.1mmで、従来製品に比べ大幅に精度を高めた。アスペクトはこの製品(価格は7000万円程度)に重点を置いて市場を開拓する計画で、当面は年間20台の販売を目指す。
機械販売とともに、 12月中旬から試作品や模型の製作受託サービスも始める。DTM製品の販促と同時に粉末造形技術の普及を後押しする狙いで、光造形より20%程度安い価格に設定する方針。稲城市の本社内にサービス部門の「モデルビューロー」を設置し、当面月間1000万円台の売り上げを見込んでいる。
アスペクトはこれまで光造形を手掛けてきたが、高い強度や低価格が求められる金属部品や金型製作などは光造形が弱い分野だった。このため、光造形と合わせて DTMの技術をいかした粉末造形を展開し、従来取りこぼしていた市場を掘り起こしていくことにした。一方、DTMは日本で粉末造形装置を生産しアジア地区で販売することをめざしていたが、日本での独自生産は難しいと判断して、積層造形で定評のあるアスペクトに技術の普及を託した。
1998年5月7日(日経産業新聞)
ラピッド・プロトタイピング(高速造形)大手のアスペクト(東京・稲城、早野誠治社長)は高靭性樹脂やゴム素材を使った試作品の粉末造形サービスを始める。
従来の樹脂や金属粉末に比べて耐久性が高く、医療機器部品やゴム製品の機能評価などに用途が広がる。主流の光造形法に比べて受注価格を約20%抑え、新素材の品ぞろえで試作品受託の売り上げを月1千万円以上に伸ばす。
新たに受注を始めるのはナイロン系の「デュラフォーム」と熱可塑性ゴム素材「Somos201」で、採用は日本では初。特殊レーザーで材料を溶着する粉末造形用の材料で、積層造形装置大手の米DTM社(テキサス州)が開発した。
試作品造形では、光で固まる光硬化性樹脂を積み重ねる光造形法が主流だが、高価でもろいのが欠点。これに対してデュラフォームはABS樹脂に似た素材で強度が高い。精度を±100μ以下と光造形品並みに高めたほか、放射線に強く、外科手術用機器の機能評価にも有効という。
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